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05年夏~06年夏まで1年間スウェーデンに留学していました。東京での大学院生活を経て、今は岡山県で働いています。


by kanapyon_814
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Normal?

今受けている教育の授業では、
ディスカッションで、とてもシンプルな質問が設定されるので、
逆にとても難しい。

例えば、
"What is Normal?"
"What is Democracy?"
"What is Knowledge?" など。

ホストマザーやいろんな人がよく、
"Everyone is Different." というけど、
教育カリキュラムだったり、社会保障制度だったり、そういうものを作るには、
違う人たちを、“同じ”ようなものでくくってグループ分けしなければいけない。

グループ分けしないと、制度は作れないけど、
グループ分けによって、
"Marginarized"(主流から排除される)
"Stigmatized"(汚名を着せられる)という人々が出現する。

何がNormalで、何がMainstreamなのかとか、決めることなんてできない。
でも、“多数決”を使わないと、何かをスムーズに決めることはできない。

Majorityの力はやっぱり強いのかな。
Majorityの中に入る人たちが、“ある程度”満足できる社会が“いい”社会なのかな。

一つの制度で、一遍に全ての人を保障するのは不可能なことだから、
確かに、できるだけ多くの人が保障されれば、それは“いい”のかもしれない。

でも、周辺に追いやられた人や、
Safety Netからこぼれた人たちに対して、すべきことって何だろう。
そういう人たちも、Majorityの人たちと同じように、
“ある程度”満足する権利があるはず。

(うーーん、仕事が見つからないとかじゃなくて、自分の意思で、
 働いてなかったりとかする人に対しては、話は別かもしれないけど。。。)
(そして、今は自分はMajorityからのスタンスで書いてるけど、
 自分がSafety Net からこぼれるってことって起きないことではない。。。)

・・・・・・・・・・・

それは多分、Second Chanceの機会を充実させること。

スウェーデンでは、大人になってから小中学校レベルの勉強をやり直したり
Skill UPするための大人のための学校だったり、
そういう2度目のチャンスを得る機会が充実している。
教育費は、義務教育だけではなくほとんどの大学も無料。
親の収入格差とかで、勉強のチャンスが少なくなるということが
避けられるようになっている。

・・・・・・・・・・

月曜日、難民がResidence Permit の審査を受けている間に
一時的に居住する施設で働く人にお話を聞く機会が持てた。
私が訪れた場所は、親なしでスウェーデンに入国した
11歳くらい~18歳までのChildren and Youthが住んでいる場所だった。

そこから去るときは2種類あって
1.Residence Permitが受けられたとき⇒別の場所に移る。
2.Residence Permitが受けられなかったとき⇒自国に帰る。

そこに住む子どもたちが出てきた国は、
ロシア、エリトリア、セルビア、ベトナム、エチオピア、アルベニア、
イラン、イラク、アフガニスタン など様々。
コミュニケーションを取るのがやはりとても大変だそう。

彼らは、9時から2時まで学校に行き、スウェーデン語を習ったりする。
1日に配給されるお金のが決まっていて、
年齢の大きい子どもたちは、自炊をして生活をしている。
小さい子どもたちは、スタッフがご飯をつくる。

子どもたちのスウェーデン語の能力は様々だそう。
でも、スウェーデンで暮らしていくためには、
言葉ができなくてはならず、できなければ、
"Second Citizen" にならざるを得ない。
言葉ができなくては仕事を得ることもできず、
お金がなければ、誰も住みたくないような場所に住むことしかできない。
その上で、やっぱり“2度目のチャンス”を得て、
どうにかしてCatch upする機会があるというのは、とても大きいことだと思う。

・・・・・・・・・・

そこに住む女の子たちの中には、Trafficking(人身売買や売春)にあって、
Traumaを抱えている子がいたり、来たときに妊娠をしているというケースもある。

質疑応答形式でお話を聞いていたのだが、
TraumaなどMental Problems の話をしていたとき、
お話してくださった方が、
「彼らは時々、トラウマをもっていたりもするけど、
決して“特別”なわけじゃなくて、私たちと同じ、普通の人間だということを
忘れてはいけないと思う」 と言っていらした。


そうだよね。


私たち、同じ人間なのに、周りの状況などによって、
排除されたり、追いやられたりする人が出てきてしまう。


“同じ”人間だけど、1人1人“違う”私たちが
「平等である」って何だろう。
「平等である」ためには何が必要なんだろう。


私が今まで、追いかけてきたテーマ。
私がこれからも、追いかけていくテーマ。
by kanapyon_814 | 2006-01-28 09:09