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05年夏~06年夏まで1年間スウェーデンに留学していました。東京での大学院生活を経て、今は岡山県で働いています。


by kanapyon_814
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移民のための会社

木曜日、Semlaさんとお茶をして、将来やりたいこととかを聞かせてもらいました。
ステキなプランばっかりで、聞いていてワクワクしました。
絶対一緒に何かしましょうね~☆

お話していて、思い出したのが、最近、ここの移民の多い地域に、
移民のためにできた小さい会社のことです。
まだ紹介していなかったのですが、3月の終わりに見学させてもらいに行きました。
セカンドハンドショップなのですが、隣に工場があって、
そこで壊れている自転車を直したり、服をきれいにして、お店で売ります。
社長さんは、赤十字で働いていた女性で、
「今スウェーデンでは、買って捨ててというサイクルが早くて、とてももったいない」という
新聞の記事を見て、まだ使えるものを直して安く売ったら、仕事も作れるし、
その悪循環を立つことができると考え、その新聞記事を書いた人と協力し、
EUのプロジェクトから支援金を得て、このお店を作ったそうです。

お店は、元ガソリンスタンドだった建物、工場は元学校だった建物が使われています。
働いているのはみんな移民の人たちで、何時間か働いて、
その後にスウェーデン語の勉強に行くという人がほとんどです。
彼らにとって、お店のレジに立つということは、かなりのステップになるそうです。
なぜなら、レジではスウェーデン語を話さなければならないしお金の管理も任されるから。
大人で移民や難民としてやってくる人たちは、
やっとの思いでここに「たどり着いた」という気持ちのせいで、
新しい言葉や、新しい文化などを習得することに対して、抵抗を持つことも多いそうです。
彼らが自信を取り戻すために、そして少しずつステップアップしていくためには、
仕事をしながら言葉などを学んでいくことは、とてもよい方法になるそうです。
また、夜にはそこで、セラピーなども行っていて(日本式セラピーらしい!)
お店に他の移民の人が買い物に来て、お互いに話をしているのを見て、
憩いの場としての役割も果たしているなと思いました。
会社の名前は、Mackenというのですが、これはガソリンスタンドの意味で、
昔は、ガソリンスタンドが人々があって話をする場所だったということから、
「ミーティングポイント」になるようにという思いが込められているそうです。
移民のための会社_e0064166_541570.jpg


そこでは、15くらいの違ったバックグラウンドをもつ人たちが働いているため、
文化のことにもすごく気が使われています。例えば、5~6つの暦が使われていたり。
社長さんに、何が社長として一番難しいことですか?と質問をしたら、
ムスリムの男性に、女性の私が「これをしてください」とOrderをすることかしらと
おっしゃいました。それをするためには、しっかりした信頼関係がないといけないと。

また社長さんに「仕事をしていて一番幸せなのはどんなときですか?」と聞きました。
彼女は、「彼らがだんだん精神的に健康になっていくのを見られること。
何か足跡を残したかったので、それが実現されていくこと。」とおっしゃいました。

「社会のニーズを吸い上げて、企業という方法で形にし、貢献する」という
今まで私があまり知らなかったやり方をみせてもらうことができました。
移民のための会社_e0064166_551531.jpg
by kanapyon_814 | 2006-05-02 05:05